【自由研究】強キャラのトリックを暴く

はじめに、次の漫画を見てほしい。

誰もが一度は見たような場面ではないかと思う。以降、このシーンを「アピール場面」と呼ぶ。

アピール場面で描かれるキャラは大抵強い。その彼らの強さ自体を疑いはしない。
しかし気にかかることがあった。

「そんなに都合よくゴキブリが出てくるのか?」

というのも、基本的にアピール場面以外で虫の描写がほとんどない。これでは、強キャラがわざわざ自己主張のために虫を用意する、或いは別のトリックを使っていると思われても仕方ないのではないか。
そして仮にトリックを使っているのなら、一般人である僕にも再現できるのではないか。

○目的
アピール場面を再現する

○用意するもの
・ペティナイフ
・虫のおもちゃ(ここではガチャガチャコーナーにあった『昆虫の森G』で引き当てたトノサマバッタを使用した。製作者の人とか、ごめんなさい)
・段ボール(的にするため)

(↑トノサマバッタ。刺すには厄介な分厚さ)

○予備演習
そもそもナイフがちゃんと投げられるかどうかを試してみる。

ナイフは目にも留まらぬ速さで飛んで行き…

派手な音を立ててぶつかった。
意外と難しく、2回目も「ビタァン!!」と当たっただけだった。

3回目でようやく成功する。
何とか出来ると思いたい。

○トリックを作ろう

ナイフを加熱してトノサマバッタに刺してみる。鍋を置いているのは、ナイフだけだとIHの防災機能が働いて勝手に止まってしまうため。
しかし2ミリほどしか刺さらず、正直疲れる。
やり方を変えるべきと考え、鍋に水とトノサマバッタを入れ、煮込むことにする。

待ち時間で漫画でも読もうかと本棚に近づいたとき、奇跡の出会いを果たす。

分かってもらえるだろうか。ゴキブリが出た。

どうやら本当に「都合よくゴキブリは出てくる」らしい。同時に、このサイズはまだこの部屋で見たことがなかったので少し落ち込む。ともかく殺虫剤を用いて死体の確保を試みる。

本棚の奥で瀕死のゴキブリ。まだ生きているが、移動はできなくなった。これならナイフも楽に刺さるだろう。しかしここで僕の個人的観念が邪魔をした。

この段落は、特に関係ないのでスクロールした方がよいかもしれない。
僕は平等主義者だ。徹底できてはいないが、そうあろうとしている。ゴキブリに関しては、「サイズ感、色などコクワガタと大差無いのに、人間からあまりに迫害されている」という理由で、彼らの肩を持つことが多かった。事実、高校生のうちはゴキブリも殺さずに捕獲して外へ追い出していたし、格好いい種類のゴキブリの画像を待ち受けにしていた時期もあった。
とはいえ殺虫剤を家に置いてあることからも分かるように、徹底的ではない甘さはある。三角コーナーに群がる子バエは容赦なく殺しているし、夏が来るたびに蝉を自ら殺して食べてもいる。

(↑セミの素揚げ)
果たしてここで殺すべきか、外へ追放すべきか…?
思考の末、ゴキブリはアパートの踊り場にある窓へ追放することになった。せっかく買ったトノサマバッタが報われないというのが主な理由だ。
そうこうしているとお湯が沸騰した。関係ないがトノサマバッタも食べてみたいなと思う。参加者募集中。

トノサマバッタを箸でお湯から出し、ナイフを刺す。

これでトリックの準備は完成した。
これが「アピール場面復元装置」だ!!

○実際に再現してみる

図のように部屋を配置する。
箱からテープが伸びているのは、ナイフをダンボールに刺したあと、引っ張ることでカメラをダンボールの方へ素早く向けさせるため。独りでこういう遊びをする際には必要な工夫の1つ。
ともあれ、試してみる。以下の写真は全て動画のスクリーンショット。

座った状態から

投げる

…が、ぶつかっただけではね返る(右下)。

2回目。トノサマバッタの方が刺さってしまった。お前のキャラが立っても仕方ないんですよ。
以降、失敗が続く。
4回目…バッタの脚が一本どこかへ消える。

6回目。ありえない刺さり方をした。能力者バトルならまぁいい。「刺さったという結果だけが残る」能力とか。

8回目…無くなっていた脚が見つかる。写真はそれを直す様子。下の部分を見たら大体わかると思うが、こんなことを繰り返し続けている。昼間とはいえアパートの隣人には申し訳なく思う。

11回目。微妙。しかし定期的に変な刺さり方をしてくれるので退屈をしのげる。

14回目。刺さったのだが、集中が切れていたためカメラワークが対応できず、もう一度チャレンジすることにした。

16回目。ちゃんと刺さり、カメラを向けるまでのテンポもよかったので撮影を止めた。しかし確認すると角度的に何がどうなっているのか分からなかったため、再度撮り直す。

19回目。上手くいったのにまたカメラワークを怠る。「くぅぅぅ…ミスった」と呟いていた。この活動を通して分かったが、僕は独り言が多い。

そして21回目

投げ

テープでカメラの向きを変更

スムーズに視点を変化!

ついに満足のいく1回が行えた。

裏から見るとこんな感じ。危ない。

○まとめ
強キャラも自己主張のためにこのような細工を行なっていたのかもしれない。ただし、ナイフ投げを一発で成功させる時点で強キャラには違いない。
アピール場面の再現も、そのナイフ技術をクリアすれば出来るには出来る。
でも正直、金と時間を費やしてやるべきことではなかった。

最後の施行を撮影した動画

(追記)
このnote公開後、友人から「ウィリアム後藤田くんは強キャラなんやな(都合よくゴキブリが出てきたから)」と言われた。
そうかもしれない。

僕が有名になった後「秋野ひろは俺/私が育てた」と公言できるようになります。