話し合いは主体性から #20210910

話し合いは主体性から #20210910

これは編集者の佐渡島庸平氏と、マンガ家のつのだふむさん、高堀健太(ホリプー)さんとの打ち合わせ(定例会)の振り返りです

定例会の前後、参加しているマンガ家メンバーでよく「よい定例会とは」について話し合う。

・・・が、今のところせいぜい「悪くなかった」くらいの感じで、もっと価値のある話し合いの方法があったんだろうなぁ、それをどうしたらいいのかは分からんが・・・みたいな振り返りになることが多かった。

今回は特にそんな感じになってしまって、それで振り返りnoteも何を軸に書くべきか迷って遅くなってしまった。

そんなこんなで、だらだら書く内容を迷っているうちに、佐渡島さんのコーチングに参加させてもらう機会がやってきた。

これは佐伯さんという方が、佐渡島さんの定例会の様子を振り返ることを題材に、定例会の役割や佐渡島さんのしたいことを共有したり、チームとしての在り方を問い直したりする場だ。

そこで自分も定例会の認識が少し変わったので、今回はその2つの話し合いで考えたことを書こうと思う。

定例会で話し合うべき話題

まずは理想というか、佐渡島さんが「自分はこういう話をする人としてチームに関わるべきなのではないか」と考えている在り方について整理する。

佐渡島さんとの話し合いは、「緊急性が低くて重要度が高い話」になるといい。

テーマとしては、作家の姿勢としての軸に関わる価値観についての話だ。

作家とずっと打ち合わせをできるわけではないので、長期的に考えていくべき問いがそこで生まれることを目指したい。

しかしそれに気構える必要はなくて、最初の話題はなんでもいい。

ただし重要なのは、作家の実感のこもった話であることだ。

作家が本当に自分の感情が動いた体験や考えていることであれば、その最初の話題としてはスケールが小さくても、そこから本人の価値観や、インプットとアウトプットの姿勢まで深ぼっていくことができるからだ。


これは僕も納得しているつもりで、そういう話し合いがしたいと思っている。

しかし最初にも書いた通り、それができてないのが現状だ。

現状の定例(前回話したこと)

前回の定例は、佐渡島さんの言葉を借りると「自分がやりたい話し合いと真逆の内容」だったので、良い例として話し合いの内容をざっくり書き出してみる。


ひとつ前の定例を踏まえて、自分が今週考えていたことや、それを踏まえて描いたマンガを共有した。

佐渡島さんが、その中でふむさんのマンガを例にとって、マンガの演出になり切っていないところを一般論的に指摘した。

佐渡島さんが、今回みたいな話し合いって皆にとってどうか?という問いを出した。


もちろん今回の話でも学ぶところはたくさんあったが、これは緊急度が高くて重要度が低い話になってしまっていた。

目先のネームを直すという緊急性があり、自分にとってすごい大事な作品というよりは日記感覚で描いたものなので重要性は低めな話題。

ここで受けた指摘をもとに直すことはできるが、そこでのフィードバックを他のところで活かすのは難しい(作家の側にそのための姿勢が整っていない?)。

今必要なこと

そんなわけで、理想と現状の差を考えたときに、何がよくないのかを考えた。

考えた結果・・・というか実は前からやんわりわかっていたのだが、結局それだなーと思った。

それは自分がどんなマンガ家になりたいか不明確なこと!!

目先の問題はこれに尽きると思う。

佐渡島さんは編集者であって、作家の描きたい欲求とぶつかることで佐渡島さんの本領が発揮される。

コーチングでわかったのは、佐渡島さんは自分がその役割を果たすためにこれまでずっと思考し続けていて、そのスタンスについては作家の側にも共有してくれていたなということだった。

しかし肝心の僕たちが、自分の描きたいことや感情が大きく動くことをうまく考えられていなくて、それでお互いに興奮の生まれる話し合いができていない、と思った。

読んで「ダメやん」と思った人、あなたは正しい。

でも実際よくわからないな・・・と思う。

たとえば目の前に死神がやってきて「お前の寿命あと3ヶ月しか無いからマジで描きたいものは今のうちに描いとけよ」と言われたときに、どんな話を描きたいと思うか結構迷う。

もちろん、今もマンガを毎日何かは描いているし、マンガ家として生きていきたいと思っているわけで、今の自分なりの「マンガを描く理由」とか「マンガで描きたいこと」はぼんやりとはある。

でもそこへの問いが足りてなかったり、日々のマンガにその軸を落とし込めてない状態が続いている。

ここまで書いてきて整理されたけど、毎週の定例会と、その振り返りであるこのnoteが、「自分の作家としての在り方」を問い続けるものになればいいんだなと思った。

そのためにやることとして、まずは

1.今日寝る前に死神が目の前に現れて「死ぬ前にこれだけは描かせてくれ!!」ってなるマンガはどんなものなのか考える

2.マンガでやりたいこと(自分はなぜマンガを描くのか?)を考える

3.1、2を日々のマンガとリンクさせる

を目標にする。

なんか今日からすごいマンガが描けるような気がしてきた。

実は毎週のnoteを書き終わる瞬間に毎回思うし「実際そんな変化できてないな」も思うけど。

とはいえこの一歩を覚え続けるぞ、という気持ちでいる。

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おまけ

コーチングに参加しているときの、佐伯さんと佐渡島さんの会話を聞いて頭がショートしそうになった気持ちを描いた日記マンガ。二人ともいろんな文脈を踏まえた上での言葉を共有しながらすごいスピードで話すので、その言葉への思考が足りていない状態で見ている僕は「それはこの場ではこの意味で・・・?あれ?今何の話になった?」ってなって、振り落とされないようにするのに必死だった。

コミック

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自分用メモ

これは僕が定例会とコーチングの際にパソコンにメモしていた文字たち。このnoteを書くときに参照して思い出すためのものだったので、他の人が読んでもあんまりよくわからんと思うのですが、自分がこのnoteと一緒に見返す分には役立つのでここに付け足しておきます。

定例のメモ

○持ってきたマンガについて
感情の流れになってない
どんな感情の情報を伝えたいのか?
何をわからせるための絵なのかがわからない
挿絵とは、コマとは?
○REACHについて
3話以降はエピソードを整理して挿し絵を入れた感じがする
コマの外の感情に向き合ってない
妄想の世界で加藤さんを観察して漫画にした感じじゃない
キャラクターの造形に成功したときは観察する感覚になる
その瞬間を捉えに行ってない感じ
○りさこシリーズについて
りさこっていうキャラが立っている
ふむさんの観察が含まれてるからかも
○話し合いについて
持ち込まれたものに対してフィードバックをすると足りてないところを言うと頑張りにくくなるのでは?
佐渡島さんに対するフィードバックの期待がわからないまま打ち合わせが始まったことに対する不安
佐渡島さんにとって皆はどんな人かわからない
日常の中の「ねぇねぇ聞いてよ」って話をしよう
佐渡島さんは、秋野は何に興味があって、どんなテーマについて話し合うと盛り上がるのかがわかってない(僕が伝わるように話せていない)
自分が興味のある瞬間、興味が上がった瞬間を教えて欲しい

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コーチングのメモ

○コーチングの動画
他の人がこう望んでるからこう変わる、は起きる必要がない
他人は変わらないと思いながら自分だけは自分を変える
変わる必要はないけど、そのままでうまくいくためには役割やその人からの見え方を知る必要がある

「で、もう一人のあなたはなんて考えてるんですか?」という問い

・これまではマンガについて話していた。
緊急度が高くて重要度が高い。
これは社員ができるようになった方がいい。
だから後藤さんにやってもらった方がいいのでは、と思っている。

・佐渡島さんのこの前の友人とのやりとり
基本的に感謝はコミュニケーションの上で大事とされる。
でも、佐渡島さんは簡単にありがとうと言わない。
それはなぜか⇨すべての行動は「自分がやりたいからやっていること」であればいいなと思うから。
たとえば佐渡島さんは佐伯さんとの打ち合わせについてありがとうと言わない。
佐渡島さんの提案に対して佐伯さんが興味を持ってくれたことについては「ありがたい」と思っている。
そのスタンスについてはありがとうと思う。
でも個別の行為についてはありがとうと言わない。
「自分のためにやってもらっている」と思っている勘違いを含むのでは?
佐渡島さんがありがとうと言い過ぎると、佐渡島さんの反応が欲しい、というふうに他者を動機付けしてしまうかもしれんし。

こういう会話(自分の感情、伝えたいこととその言葉が一致しているか、みたいなやりとり)が打ち合わせで起こるといいなと思う。

・自分の感情を全部オープンにする必要がある。なぜならそれは漫画にするときに必要だから。
・話しにくいときは自分のその感情についての体験を話す。感情の肯定?
感情ごとに自分の経験を話せるようになろう。
・嫉妬するなとは絶対言わない。
それってどんな嫉妬なの?と聞く。
・「僕らは感情を味わい尽くす職業」
怒りや恐怖で相手をコントロールすることはよくないが、「怒りを見せるな」は違うと思っている。
・感情を伝えることについて
佐伯さん
「いい悪いの基準の中で、感情を持って伝えることは大事なのではないか」
?疑問「佐渡島さんは、いい悪いの基準に関係なく、自分が怒りを感じたらそれを伝えることもマンガ家にとって良い、と考えているのでは?」

・フィードバックを受ける態勢を整えるとは?人としての器を大きくすることに近い。
⇨自分の感情を受け入れて話せるようになる努力というのはひとつある。

○疑問
「自分の日常の思考の外側の概念」ってどういうことなんやろうか

○実感あったことを話そうよ
「ありがとう」と「ありがたい」の違いについて話したい、と思って話した
作家からそんな話が出てきたらいい気がする

起きたこと、感じたこと、認識したこと、について話すとき、その主語が「体験者本人」であることが大切。

定例メンバーで、お互いがお互いに、起こったことに対する問いと答えを聞き合うだけで振り返りとして良い感じになるんじゃないか。


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