外食びらき(小吉)

5月25日、緊急事態宣言が解除された。

もちろんコロナウィルスの脅威が消えたわけではない。
ただこれまで、外に出たい気持ちを力強く抑えていた「緊急事態宣言だし…」という言い訳が消えた今、僕の自粛マインドはどんどん弱まっていく。

外食がしたい。
めっちゃ外食がしたい。

あんまり頻繁に外食するのも怖いので、最高に美味しいお店で一回食べて、それからはまたしばらく自粛ムードに入ろうと決めた。

トンカツとか焼肉とか、美味い肉が食いたいなぁ。
ちょっと高めの海鮮料理もいいなぁ。
とか、「外食びらき」の予定を妄想して楽しんでいた。

だけど今、僕は松屋にいる。
松屋で、おろしポン酢牛丼大盛りを食べている。

松屋は普通に好きだしありがたい存在なのだが、僕の一大イベント外出びらきとしては理想と違ってしまったなと思っている。
なぜこうなってしまったのかを書きたい。
なーんか、ちょっとずつ上手くいかないなぁという日記だ。

まず、3月頃から僕はずっと蕁麻疹に悩んでいる。
こいつは夕方から朝方にかけて肌をめちゃくちゃ痒くしてくる悪魔だ。
その痒みのせいで寝れなかったり起きてしまったりして、2時間睡眠を2、3回繰り返せたらいい方、みたいになっている。
もともと僕には「睡魔」という上級悪魔が取り憑いていたのだが、こいつが負けるくらいだから相当な強さだ。

そんな生活が続いていたので、朝は眠いし(というか寝ちゃうし)、そのせいでやるべき宿題とかが後回しになったりで、けっこうしんどかった。
さらに今朝、不規則な生活からか、軽めの熱を出してしまった。

匂いは普通に感じたのでコロナではなさそう。

ここらでちゃんとした料理を食べて栄養素をとらねば、と思った。
しかし4時間後に提出する課題と、マンガ関係でも今日中にやるべきことが5時間分くらいあった。
今のテンションで料理を作るとめっちゃ時間がかかってしまう…
かといって風邪の体にカップ焼きそばはあんまり良くない気がする…

そういう経緯で、家の近くにある松屋でサクッと気力を蓄えよう、と判断した。
仕方ないとはいえ、外食びらきは予想より質素になってしまった。
せめて松屋の中で最大限豪華にしようという気持ちで頼んだのが、「おろしポン酢牛丼大盛り(味噌汁は豚汁に変更)720円」だった。

ここまで「外出びらきが松屋かよ」という罰当たりなテンションでいたが、出てきた牛丼を一口食べると、そんな自分は消え去った。
おろしポン酢牛丼はおいしい。
松屋のおかげで、ネガティブになっても仕方がないじゃないか、と思えてきた。

ありがとう松屋。
これからもよろしくお願いします。

牛丼を食べ終わった頃にはかなり元気を取り戻していた。
その勢いのまま、まだ手をつけてなかった豚汁を飲もうとした。
それが良くなかった。

あっつ!!!!!!!!

その豚汁はこれまで飲んだどの豚汁よりも熱かった。
驚いて吹き出すのは何とか我慢できたが、ある程度の量を口に含んでしまっていたせいで、熱さに耐えかねて口の端からポタポタとこぼしてしまった。
机や服を拭きながら、舌がやけどでジンジンしているのを感じた。

全然大したことじゃないのに、一気にやる気がしぼんでしまった。
膝カックンみたいなかわいいイタズラでも、持久走でヘトヘトになっているときに食らったら萎える。
そんな感じだった。

豚汁をフーフーして冷ます気にもなれず、自然とぬるくなるのを待ちながら、この日記を書いている。

くそぅ…
ビミョーな悪循環から抜け出したい。
蕁麻疹はマジで治ってくれ

僕が有名になった後「秋野ひろは俺/私が育てた」と公言できるようになります。